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究極の複雑時計、トゥールビヨンが170万円ってどういうこと?

タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー 02T

トゥールビヨン付きCOSC認定自動巻きクロノグラフ。クロノグラフCH-80ムーブメントのDNAを継承し、開発された第2の自社製ムーブメントを搭載。6時位置に1分1回転のフライングトゥールビヨンを載せる。時計界史を大きく変える画期的モデル。Tiケース、自動巻き、45mm径。¥1,675,000(予価・8月発売予定)〈TAG Heuer/LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054〉


今年のバーゼルワールドでは、昨年のコネクテッドウォッチに続き、またまたタグ・ホイヤーが大きな話題を提供してくれた。


ウブロのコンセプト“フュージョン”を定着させた巨人、ジャン-クロード・ビバー氏をCEOに迎えてから、何かやりそうな気配は感じられたが、まさか100万円台のトゥールビヨンモデルを登場させるとは。時計界の誰もが予想もしなかったことである。


話題のモデルは、「タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー 02T」。トゥールビヨンに加え、COSC認定自動巻きクロノグラフを同時に搭載した。この機構を搭載した場合、これまでの常識では間違いなく1000万円オーバーだが、それが1万5000スイスフラン以下。日本での販売価格は、なんと167万5000円なのである。


トゥールビヨン機構は懐中時計の時代に開発された最高峰の技術のひとつと言われているもの。機械式ムーブメントには、定時性を担うテンプというものがあり、そのテンプにはヒゲゼンマイがついていて、アンクルによって振られたテンプは戻ろうとする。これが正常に作動してこそ精度を発揮するのだが、懐中時計はポケットの中で直立しているため、ヒゲゼンマイが重力に引っ張られ、次第に下に伸びてしまう。こうなると、設定された定時性が維持できなくなるので、ガンギ車やテンプなど調速&脱進機構全体をキャリッジ(カゴ)に入れて回転させて弛みを防いだ。これが大まかなトゥールビヨンの仕組みである。


高級時計メーカーは、これに装飾を加えひとつひとつ熟練工が手作業で仕上げる。製作できるメーカーも少なかったため、マニュファクチュール・ブランドの象徴的存在、高級時計の代名詞的モデルとして、長年、時計愛好家憧れのモデルだったのだ。それが100万円台で購入できるなんて、まさに衝撃である。


そもそもタグ・ホイヤーには、副社長のギィ・セモン氏率いる「アバンギャルド オート オルロジュリー工房」があり、トゥールビヨンを進化させた「マイクロトゥールビヨンズ」などをすでに開発している。今回のカレラ ホイヤー 02Tは、その高度な技術とタグ・ホイヤーという大手時計企業が持つ生産体制によって生み出されたものだ。潜在能力が敏腕ビバー氏の手によって引き出されたわけである。


この革命的モデルの登場により、何十年と続いてきたトゥールビヨンに対する崇拝のような感覚は消滅することになるかもしれない。2016年は時計界史に大きな足跡を残す年になるかもしれない。



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