ホーム >>[マイクロローター新時代]コンプリケーションのプラットフォームとしてのマイクロローター
[マイクロローター新時代]コンプリケーションのプラットフォームとしてのマイクロローター

ただし、状況は変わった。今や各社はマイクロローターをコンプリケーションのベースとさえ見なそうとするようになった。大きな理由は、コンピューターの普及により、弱い力で動く付加機構を作れるようになったこと。今や永久カレンダーモジュールの中には、振り角に対する影響が10度以下というものさえ見られるようになった。これだけ軽ければマイクロローター自動巻きの弱いトルクでも十分動くだろう。


 また脱進機回りの進化によって、マイクロローター自動巻きがいっそう「省エネ」になった点も理由に挙げられそうだ。その最も分かりやすい例がシリコン製の脱進機である。脱進機を軽くすることで、理論上はパワーリザーブを増やすか、振動数を上げるか、またはテンプを大きくできる。仮に付加機構がトルクを消費しても、軽い脱進機は性能低下を帳消しにしてくれるだろう。最新のパテック フィリップや、ローラン フェリエのマイクロローターは、明らかに脱進機の軽量化を、性能の向上と拡張性という目的に向けている。



前ページ: 美女と時計/フランク ミュラーを身につけた笑顔が素敵な奥様
次ページ: [マイクロローター新時代]L.U.Cが史上最良のマイクロローターである理由