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スーパーコピー時計N級ETAを克服するウォッチメーカー&サプライヤー

1990年代半ば、スイス製の機械式時計の約9割はETA製のエボーシュを載せていた。これは価格が安く、信頼性に優れたエボーシュであり、加えて脱進機の進化により、容易にクロノメーター級の精度が得られるようになった。


 たしかに当時もETA以外の選択肢は存在した。しかしフレデリック・ピゲや、ヌーヴェル・レマニアは高価であり、高精度なジャガー・ルクルトは針飛びを起こしやすく、発表間もないジラール・ペルゴは仕上げこそ一級品だったが、巻き上げ機構に不具合を抱えていた(なお後者ふたつの問題はすでに改善されている)。価格や精度はもちろん、信頼性を加味すると、エタブリスール各社は、なおのことETAに依存せざるを得なかったのである。もっとも、ETAを使えるという安心感が、やがてスイス時計産業全体に、慢心を育んだとも言えるだろう。


 LMHグループ総帥(当時)のギュンター・ブリュームラインは、オーストリアのジャーナリスト、アレクサンダー・リンツに「ムーブメントの価格が、外装より高くなることはあり得ない」と語った。スウォッチ グループを率いるハイエック・シニアが、他メーカーへの姿勢を改めたのはこの発言以降であり、厳密に言うと、そのブリュームラインがリシュモン グループ時計部門の責任者に就任した2000年以降ではなかったか。


 かくしてハイエック・シニアは、グループ外に対するエボーシュの供給停止を発表。各メーカーに対して自社製ムーブメントの開発、露骨に言えばETAに依存したビジネスモデルの見直しを強いた。


 こうした経緯を考えれば、ETA側の、各メーカーに対する圧力のかけ方が異なるのも分かる。例えばETAの使用を公表していたジンやショパール、そしてシャネルなどは好遇され、対してベースの出自を隠そうとする時計メーカーは、積極的な供給停止・削減の対象となった。ちなみに補足すると、大規模なリテーラーが経営する時計メーカー、例えばカール F.ブヘラやドイツのヴェンペは、削減の対象にはならなかったようだ。ヨーロッパのあるリテール関係者は「供給を削減すると、店頭からスウォッチ グループの製品を減らすと圧力をかけた」と推測する。当事者たちが黙しているため確認できないが、ヨーロッパ市場を左右する2社を怒らせたくないという判断は、おそらく働いただろう。事実カール F.ブヘラもヴェンペも、今なおETAから良いグレード、つまりトップグレード以上のエボーシュを供給されている。



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